弊社が販売しているストレッチフィルムは、出荷の際に使う荷崩れ防止のフィルムのことですが、透明で自己粘着性がありフィルム同士がくっ付くなど、フィルムだけを見れば家庭用のラップとよく似ています。
私たちもお客様にストレッチフィルムを紹介する時に「大きな○○ラップ゚のようなもの」と表現することがよくあります。
そこで『ストレッチフィルムと家庭用ラップのどこが違うのか』を調べてみました。
ストレッチフィルムと家庭用のラップの一番の違いはその材質にあります。
ストレッチフィルムは主にLLDPE(直鎖上低密度ポリエチレン)で、家庭用ラップはPVDC(ポリ塩化ビニリデン)やPVC(ポリ塩化ビニル)です。ここでは、LLDPEと家庭用ラップで多く使われるPVDCの特性の違いを紹介していきます。
LLDPE(直鎖上低密度ポリエチレン)
水分は透過性は低いですが気体の透過性が高いため料理の保存などには向いていません。(カレーをLLDPEで密閉して冷蔵庫に入れて保存しておくと冷蔵庫がカレーの匂いで一杯になることでしょう。)
耐寒性はありますが、PVDCに比べ耐熱性が高くありません。
PVDC(ポリ塩化ビニリデン)
水分や気体の透過性が非常に低く復元力があるため、食品の匂いを通さず、外気との接触も妨げるため酸化防止に効果的です。
そのため、食品の品質を維持することができます。耐熱性、耐寒性が共に優れ電子レンジでの使用や冷凍保存にも対応します。
以上の点から家庭用ラップはストレッチフィルムより優れた機能を兼ね備えていると言えます。
では、なぜストレッチフィルムにはLLDPEを使用するのでしょうか?
ストレッチフィルムにPVDCではなくLLDPEを使う大きな要因は価格にあります。
PVDCに比べLLDPEの方が原料がかなり安価なものになっています。
ストレッチフィルムは荷崩れ防止の他にちょっとしたほこりや水滴から商品を守ることができれば良いと考えられているため、水分透過性が低く、使用目的に応じた柔軟性や強度を併せ持ったLLDPEが選ばれています。
このように、ストレッチフィルムと家庭用のラップは持っている機能が大きく違いますので、くれぐれもストレッチフィルムを家庭用のラップの代わりに使用なんてことは絶対にしないでください。