粘着テープに使用される粘着剤 は何からできているの??
→ 基本的にはゴムと樹脂でできています。 ゴム・・・ゴムは自然由来の天然ゴムや石油から作られた合成ゴム(ブチル・イソプレンラバー)が代表的です。 ゴムは練っていくとゴムの分子がちぎれてどんどん柔らかくなっていきます。このゴムの柔らかさをコントロールすることでつきやすい粘着剤や剥がしやすい粘着剤を意図的に作ることができます。
樹脂・・・樹脂は松脂などの自然由来のものと石油から作られた石油樹脂が代表的です。樹脂は塗料や接着剤の材料にもなっています。また、樹脂はそれぞれ固有の表面エネルギー粘性(濡れていく・流れていく特性)を持っており、粘着特性をコントロールすることができます。 粘着テープは何故くっつくの??
→ 表面同士で引き合う力と粘着剤の粘弾性で粘着力が発揮すると言われています。 濡れ・・・表面同士で引き合う力は、濡れの現象で理解できます。ある平滑な表面に水滴を垂らすと、ジワっと水滴が広がる場合と水玉がはじくような場合があります。これは物体特有の表面エネルギーにより濡れ方が変わるからです。はじくものはつきにくく、広がる場合はつきやすい。車のフロントガラスにスプレーして雨がはじくのは、表面エネルギーの小さいフッ素コートをしているからです。
粘弾性・・・粘弾性は粘性と弾性を併せたもので、粘性は流れて馴染んでいく特性で元の状態には戻りません。弾性は力が加わった時にその力を緩和する特性を発揮します。それをコントロールすることで粘着テープが安定してつく特性を出すことができます。
粘着テープの粘着剤はどんなモノがあるの??
→ 体系的にゴム系、アクリル系、シリコーン系に分けられます。
ゴム系・・・代表的にはゴムの木からとった天然ゴムに石油樹脂を混合したもので何でもよくつき、剥がしやすい特徴があります。また、合成ゴムには防水・制振性に優れたブチルゴムなどがあります。
アクリル系・・・蜘蛛の糸を参考に作り出されたと言われていますが、現在は石油から作られています。 耐久性に優れ透明かつ不純物も少ないことから文具用、電機・電子用と幅広く使用されています。欠点としては貼る相手によってはつきにくいモノがある点と少し高価なところです。
シリコーン系・・・ガラスの原材料から作られるシリコーンは耐久性、耐熱性に優れ、つきにくい剥離材料にもつきやすい特徴を持った粘着剤です。高価なため主流にはなりませんが、高熱のマスキング用途や剥離剤部材の接続用として使用されています。