新型コロナウイルスの感染が収まらない中、医療現場や食品工場で必需品の使い捨て手袋が世界中で不足しています。
使い捨て手袋は、日本国内ではほとんど製造されていないうえ、マスクのように手作りできず、急激に高まる需要に供給が追いついていないというのが現状です。
特に不足しているのは、塩化ビニール製やニトリル製の薄手の使い捨て手袋で手にフィットして汎用性が高いタイプのものです。コロナ禍以前は通常は1箱100枚入りが数百円程度でしたが、今は数倍に跳ね上がっており、あまりの値上がりに入荷を停止する企業もあり国内流通はしばらく回復の見込みは薄そうです。
そのような情況の中、需要の急増と供給不足の解決に役立つかもしれない新しい素材の使い捨て手袋が注目を集めています。
使い捨て手袋類の中でも最も安価とされるポリエチレン素材に熱可塑性エラストマー(TPE)という樹脂を配合させたものです。TPEはゴムとプラスチックの中間的な素材で伸びが良くフィット性に優れています。
ポリエチレン手袋と比べて収縮性を備えているため、手袋着用の際にワンサイズ小さなものを伸ばして使うことによって指先を使った細かい作業も可能となります。
今後も使い捨て手袋各種の価格の高騰が予想される中コスト面で安価なTPE手袋は様々な場所での使用が期待されます。